友達の小学1年生の子どもが「オスグッド」になりました。
自分の子どもも小1だし、それまでオスグッドを知らなかったので、色々聞いてみると。
10代のスポーツをしている子どもに多く、もちろん小学生低学年から発症するもの。
スポーツをしていなくてもオスグッドになることもあると。
小さな子どもがいる親には、まったく他人ごとでないんですね!
友達の子どものオスグッド治療のため、専門医に聞いたり、書籍で調べたことをシェアします。
ちなみに、その子はストレッチと日常の動作改善が効果的だったみたいで、数回、施術院に通うことで痛みが治り、運動も継続できました。
では、オスグッドの治療について詳しくお伝えしていきますね。
オスグッドとは?
サッカーや野球、バスケットボールなどのスポーツをする小学生、中学生や高校生といった成長期の子どもに多く見られる、膝から足首の骨(脛骨)が出っ張って痛むという骨軟骨炎です。
オスグッドの語源と正式名称
一般的に、「オスグッド」などと略されますが、正式名称は「オスグッド・シュラッター病(症候群)」です。
オスグッドの語源は、整形外科医ロバート・ベイリー・オスグッドと、外科医カール・シュラッターが別々に症例を確認、発表したため、この名称になりました。
オスグッドと成長痛
成長痛は、身長ががぐんぐんのびる成長期に、骨の成長に筋肉や腱がついていけず、そこに運動やストレスによって発生する痛みです。
成長痛の代表的な例がオスグッド病になります。
ただし、「オスグッド病」は骨の変形を伴うスポーツ障害であり、成長の過程で起こる「一般的な成長痛」と認識すると、間違った対処をされる場合もあります。
放置せず正しい治療を行う必要があります。
オスグッドを患った有名人
以下の方々がオスグッドを患ったことがあるようです。
サッカー選手では、ロナウド、清武弘嗣。野球選手では、岩本貴裕。女優で小芝風花(フィギュアスケートジュニア選手時代)、アイドルでは佐藤優樹(モーニング娘。)、奥真奈美(元AKB48)。
オスグッドの原因
オスグッドの主な原因は、10~15歳の成長期の子どもが、スポーツ中に、膝の曲げ伸ばしやジャンプをし過ぎることです。
膝を伸ばす力の繰り返しによって、太もも前の筋肉が膝下の軟骨部を引っ張り続けることで、剥離して痛むのです。
オスグッドの原因になるスポーツ
代表的なスポーツにサッカーがありますが、オズグッドの原因になるスポーツはいくつもあります。
水泳、 マラソン、ダンス、サッカー、ゴルフ、自転車、ロードバイク、バスケ、ミニバス、ソフトボール、剣道、野球、ランニング、ラグビー、バドミントン、バレー、テニス、ソフトテニス、陸上、登山、空手、ウォーキング、バレエ、プール、卓球など、運動中に大きな衝撃がヒザ付近に生じることのあるスポーツが多いです。
ただ、激しい運動ばかりでなく、ウォーキングでも、発症または再発することがあるため注意が必要です。
オスグッドと年齢・性別
オスグッドに多いのが10~15歳の成長期の子どもです。
割合としては男子が多いですが、女子にも発症します。女子で、急に背が伸びた子や運動量が多い子に起きやすいです。
また、割合としては子どもに比べて少ないですが、大人でも起こります。
大人で起こる場合、子どもの時に異常が出来ていて大人になって発症するケース、子どもの時のオスグッドが再発するケースがあります。
オスグッド治療の前に、オスグッドの確かめ方・チェック方法
オスグッドの治療の前に、その症状がオスグッドで間違っていないか確認しましょう。
オスグッドに似た病例もあります。
オスグッドの主な症状
多くの患者は膝のすぐ下の骨(脛骨)付近の痛みや、膝うらに鈍い痛みや強い圧痛を感じます。
痛みが強くても、外見に異常がないことも多いです。
オスグッドのチェック方法
オスグッドには以下のような特徴があります。
- 膝の下部位を押すと痛がる
- 痛みのある部位の周りに熱を持っている。
- 痛みのある部位が赤く腫れている。
- 頸骨(すねの骨)が前側にボコッと隆起している。
- 休んでいると痛みが無くなるが、スポーツを始めると、再び痛みがでる。
オスグッドの診察方法は?治療を受けるには
オスグッドの診断は、専門医であれば上記チェック方法である程度わかりますが、X線(レントゲン)検査を行うことでほぼ確定できます。
オスグッドは以下の施設で診察・治療が受けられます。
- 整骨院
- 接骨院
- 整体
- 外科
- 整形外科
- ペインクリニック
オスグッドの診断はレントゲン検査が確実ですが、レントゲンは接骨院、整骨院では行えません。レントゲンを希望の場合は、医師のいる整形外科あるいは外科で診察を受けます。
オスグッドの治療
成長期に発症することが多く、成長に伴って、骨と筋肉・腱のバランスが整い、異常のある骨も次第に消えて、痛みもなくなり、成長期が終わると治癒することが多いです。可能であれば、この時期はスポーツを控えることが大切です。
オスグッドの治療方法
消炎剤、ギブス、アイシングによる治療
消炎剤で痛みを和らげたり、ギブスなどで固定して、回復を待ちます。
また、運動後やお風呂に入ったあとなど一日の終わりには、アイシングをおこない痛みを抑えます。
ストレッチによる治療
大腿四頭筋(ふとももの前)の柔軟性を取り戻すストレッチをおこないます。
理学療法士やアスレチック・トレーナーに、体のバランスや姿勢など評価してもらい、適切なストレッチのメニューを出してもらうことが有効です。このようなリハビリテーションを「アスレチック・リハビリテーション」と呼びます。
ストレッチは自分で毎日継続することが大切です。
筋力トレーニング
太もも前面の筋肉の不均衡や太もも後面の筋力不足により、膝前面への負荷が増えるため、太もも前面および後面の筋力トレーニングを行います。
動作改善
猫背など太もも前面の筋肉および膝前面に負担のかかる、日常の動作を見直します。スポーツに復帰するにあたっては、骨盤を意識した前方重心を導く動作、足の筋活動を意識した動作など論理的に理解していると改善に役立ちます。
手術
強い痛みや軟骨や腱の損傷がひどい場合は、手術を行うこともあります。
オスグッドの治療期間
オスグッドの症状は運動をしないで安静にしていれば、1年ぐらいが多く、成長期が終わると自然に治癒することから、2年ほどあれば、ほぼ治るようです。
ストレッチや筋力トレーニング、日常の動作改善を取り入れることで、治療期間が短くなり、治療中も運動できるケースも多くあります。
オスグッドは完治するの?
通常は、成長期が終わるとオスグッドの症状はなくなります。
適切な対応、例えば手術が必要な状態であったのに、それを行わなかったりすると、成長期が終わった後も、痛みが残る場合もあります。
子どものオスグッド治療
オスグッドになる子どもの多くは10代です。そのため、オスグッド治療には親の判断が必要となります。
関連する書籍や(できれば複数の)専門医に話を聞き、それらの情報から適切な処置を考えてみてください。
部活は休みにくい
その期間に運動が部活を休み、運動ができなくなり、スポーツの夢をあきらめるのは、とてもつらいことです。
ストレッチや筋力トレーニング、日常の動作改善を取り入れることで、治療中も運動できるケースも多くあります。
大人のオスグッド治療
大人になっても痛むオスグッドの後遺症には、大きく2つに分類できます。
1つ目が、成長期に変形した骨による痛みです。2つ目は、身体の使い方、主に太ももの筋肉が硬なることが原因です。
前者は手術が必要になることがあり、専門医による診断をおすすめします。後者は、ストレッチや日常の動作改善でよくなることが多いようです。
まとめ
運動ができなくなり、大好きなスポーツの夢をあきらめる子どもを見るのは辛いですね。
オスグッドが発症したら、放置せず正しい治療を行う必要があります。
その他、成長期にどのような障害があるのか、そして、それらにどう注意を払わなければいけないのかを、子供の親としてチェックしていかなければいけないですね。